[ネタバレ注意]魔王学院の不適合者4<下>の感想

ライトノベル

こんにちは、フレッシュマンSRです。

今回は5月10日に発売された電撃文庫のライトノベル「魔王学院の不適合者4<下>」の感想を書いていきます。

※ここから先は魔王学院の不適合者の最新刊(Web版)までのネタバレが含まれます。

作品の紹介

人も、精霊も、神々すら滅ぼして、魔王と恐れられた男がいた。
不可能を知らぬ魔王アノスは荒んだ世界に飽き、転生の魔法を使った。

二千年後。目覚めた彼を待っていたのは、魔王を育てるデルゾゲード魔王学院である。そこでアノスが目にしたのは、平和に慣れ、弱くなりすぎた子孫たち。そして驚くほど低次元な魔法術式だった。

その上、正真正銘、魔王の始祖である彼が、なぜか不適合者の烙印を押されることになってしまい……!?

「小説家になろう」連載版のあらすじ

正式タイトルは「魔王学院の不適合者 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~ 」で、「小説界になろう」で連載されている作品です。

主人公である魔王アノスの絶対的な強さと、魅力的なキャラクターやストーリーが高い評価を受け、2018年3月に電撃文庫から書籍化され、同年7月にはスマホアプリの「マンガUP!」でコミカライズ版が連載されています。

コミカライズ版は現在2巻まで発売されています。

この作品の最大の魅力は、何といってもアノスの最強ぶりです。

昨今では主人公が終始負けない「主人公最強」といわれる作品はざらにありますが、アノスは次元が違います。

そんなアノスの強さを示す名(迷)エピソードの一部は以下の通り。

  • 産まれた直後に成長魔法を使い両親の度肝を抜く
  • 「心臓の鼓動」だけで入学試験の対戦相手を倒す
  • ヒロインのサーシャとその配下が魔法で作った巨大な城を片手で持ち上げる
  • ↑のサーシャたちが使った最上級炎属性魔法を最下級の魔法で圧倒(某ジャンプマンガに出てくる大魔王の「今のはメラゾーマではない……」のパロディ)
  • 時間を止めてファン9人に同時にサインする
  • 木の枝でクラス最強の剣士であるレイに勝つ
  • ピーラーでニンジンを星型に切る
  • 瞬きだけで勇者の子孫を吹き飛ばす
  • 月を魔法で動かし、日食を起こす
  • 破壊神に打ち勝ち、世界から滅びの秩序を奪う

これだけ主人公が強いと戦いがワンパターンでつまらないんじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、この作品に登場する敵はただのかませ犬だけではなく、魔族の猛者や神そのものなど、普通に考えたら絶対勝てないような強敵が立ちはだかり、それをアノスたちが更なる力で打ち破るという展開が繰り広げられます。

魔王学院の不適合者 ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~

魔王学院の不適合者|電撃文庫公式サイト

あらすじ

1巻

長く続く争いを終わらせるため、勇者カノン、大精霊レノ、創造神ミリティアと共に世界を4つに分けた暴虐の魔王アノス・ヴォルディゴード。彼は平和な世界を夢見て2000年後の世界へ転生します。

しかし、2000年後目覚めた彼は、平和に慣れた子孫たちが弱くなってしまったこと、さらに暴虐の魔王の名が「アヴォス・ディルヘヴィア」という偽物にすり替えられたことを知ります。

そんな中、アノスは入学試験で出会った少女・ミーシャと彼女の双子の姉・サーシャの運命を変えるべく、真の魔王として、力を発揮します。

2巻

魔王学院での生活を続けるアノスは、魔族と精霊のハーフとして生まれた少女・ミサと、アノスも一目置くほどの剣の腕を誇る転校生・レイと親しくなります。

しかし、レイは母親を人質にとられ、契約の魔剣を刺されてしまいます。

レイと彼の母親を救うため、アノスは魔剣大会に挑みます。

3巻

魔王学院と勇者学院の学院交流に参加することになったアノスたちは、エレオノールという少女と、勇者カノンの転生体だという勇者学院の生徒たちに出会います。

彼らがカノンの転生体でないと即座に見抜いたアノスですが、勇者学院には2000年前からの魔族への憎悪が渦巻いていることが判明します。

終盤では、偽の魔王アヴォス・ディルヘヴィアの正体がついに明らかになります。

4巻<上>

アヴォス・ディルヘヴィアと和解し、アノスはついに暴虐の魔王として他の魔族たちにも認められます。しかし、彼の前にノウスガリアという神が現れ、世界の秩序を歪める暴虐の魔王を滅ぼす「神の子」が、アノスの配下の中にいると告げます。

神の子が誰か突き止めるべく、精霊たちの森アハルトヘルンを訪れたアノスたちの前に、精霊たちの試練と、レイをも上回る剣の腕を持つ「精霊王」が立ちはだかります。

そして、今回取り上げる4巻<下>では、Web版の第四章、大精霊編の後半、「アハルトヘルン脱出」から「エピローグ」が収録されています。

ミサの正体は、偽りの魔王の噂と伝承から生まれた大精霊「アヴォス・ディルヘヴィア」であることが明らかになり、彼女がなぜ生まれたかを確かめるために、2000年前の世界へ時間移動したアノスたち。

そこで彼らが目にしたのは、大精霊レノと、彼女の護衛を務める魔族最強と謳われた剣士・シンが互いに愛し合い、結ばれる姿でした。やがて二人の間には子供ができますが、ノウスガリアはその子供、ミサこそがアノスを滅ぼす精霊アヴォス・ディルヘヴィアだという残酷な事実を告げ、自らの伝承に背いたレノは消滅してしまいます。

元の時代に戻ったアノスたちは、全ての悲劇を終わらせるために、アヴォス・ディルヘヴィアとノウスガリアを打倒するべく動きだします。

感想

僕は今まで全話Web版で読んできたので、単行本を買うのはこれが初めてです。400ページ超のボリュームがありますが、文法がしっかりしていて読みやすく、すいすい読めます。

ただ、短章の分け方がWeb版と全く一緒で、中途半端な部分で区切られていることもあったので、他の小説に慣れていると若干読みにくく感じるかもしれません。それ以上に問題なのが目次が無い点で、しおりはほぼ必須です。

ストーリーはギャグパートは無く、基本シリアス路線です。アノスの両親を殺そうとした生徒が細切れにされたり、ノウスガリアがシンに首を刎ねられたりと、グロいシーンもあります。

しかし、2000年前、愛を知らないシンにレノが愛を教え、二人が惹かれあうシーンは「純愛」という言葉という言葉がぴったり合います。婚姻の義のときもシンは「愛がわからない」と言っていましたが、主君であるアノスとの約束よりもレノとの結婚を優先したことから、彼の中でレノの存在が大きくなっていたことは想像に難くありません。

しかし、レノの最期は救いのないものでした。元々、精霊を産む母であるレノは、魔族であるシンの子供を産めば消滅してしまうことが分かっていました。それでも彼の子供を産みたいという覚悟すらも、ノウスガリアに踏みにじられ、別れの言葉もシンに伝えることができずに消えてしまいました。愛する妻を失ったシンの決断は、

ミサを守るために、主であるアノスに刃を向ける ことでした。

表紙中央の男がシンですが、とても暗い表情をしています。その表情には、主を裏切った負い目を感じながら2000年もの間生き続けてきた苦悩が現れています。

終盤でついにアノスとシンが対峙し、シンは己の罪を償うべく、アノスの手で討たれることを望みますが、アノスは逆賊であるシンを一言も責めたりせず、ミサの父として彼に生き続けることを命じます。アノスの魔王としての器の大きさが分かるエピソードの一つです。

そして、シン対ノウスガリア、レイ対アヴォス・ディルヘヴィアの壮絶な戦いが始まります。神の秩序であらゆる奇跡を起こすノウスガリアと、暴虐の魔王としての力を持つアヴォス・ディルヘヴィア。二人とも並みの魔族など及びもつかない超強敵です。

しかし、愛の妖精の力で一時的に蘇ったレノと精霊たちの力を使い、シンはノウスガリアを封じ込め、レイもシンから教わった<<秘奥>>を使い、アヴォス・ディルヘヴィアからミサを切り離すことに成功します。

アヴォス・ディルヘヴィアを追い詰めたかに見えたレイですが、彼女が破壊神の力を秘めた理滅剣を掌握すると戦況は一変、レイは瞬殺されてしまいます。

理滅剣は暴虐の魔王最強の切り札であり、危険極まりない兵器です。そんな代物が敵の手に落ちた以上、普通は絶体絶命のピンチであるはずですが、アノスは1ミリも余裕を崩さず、あろうことか理滅剣を持ったアヴォス・ディルヘヴィアをあっさりと討ち滅ぼし、こう言い放ちます。

「理滅剣を掌握すれば、俺に敵うと思ったか」

「お前は贋物だ、アヴォス・ディルヘヴィア」

魔族の王としての圧倒的な力と自信。この姿を見てまだ彼が魔王であることに文句を言う者はいないでしょう。

そしてアヴォス・ディルヘヴィアとノウスガリアを滅ぼし、アヴォス・ディルヘヴィアの新しい噂を広めることでミサもレノも蘇ります。

「あらゆる理不尽、あらゆる悲劇、我が眼前ではただ滅べ。」

帯に書かれていたうたい文句に嘘偽りなく、仲間の悲劇をひとつ残らずぶち壊したアノスはついに魔王として再臨し、民の幸せを脅かすものは何であろうと滅ぼすと約束します。

特典

初回特典として、アニメイト、とらのあな、ゲーマーズ、メロンブックスではショートストーリーが書かれたリーフレットがついてきます。

僕は名古屋のアニメイトで初日に買ったのですが、ちょうどポストカードは無くなっていたので、人気がうかがえます。

アニメイト特典のSSは「家族のこれから」。

魔王再臨の式典の後に、レノとシンが娘のミサに新しい家を紹介し、これからは3人で暮らすことができると告げます。孤児として、親の愛を知らずに生きてきたミサの寂しさが消えた瞬間といえるでしょう。シンは一言も喋りませんが、無言で手を差し出すというのが不器用な彼なりの愛情表現なのだと思います。

ちなみにこの3人の家はWeb版9章で登場します。

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